流動資産と固定資産の違い
「流動資産」と「固定資産」です。
この2つの違いは
「1年以内に現金化される見込みがあるかどうか?」です。
流動資産:1年以内に現金化される予定の資産
固定資産:1年以内に現金化される予定のない資産
売掛金であれば1年以内に現金化されますし、棚卸資産も1年以内には販売されて現金化される。
→だから流動資産になります。
建物とか機械とか土地は、ほぼ1年内に現金化されません。
→固定資産に分類されます。
2) 上から順に現金化しやすい順番に書かれている。
BS(貸借対照表)の左側=
資産の部は、上から現金化しやすい順番で書かれてます。
つまり、資産の項目は上から現金化しやすい順番に並んでいます。
先ほど1年以内に現金化が見込める資産を「流動資産」、1年以内に現金化される見込みがない資産を「固定資産」と話しました。
だからBS資産欄では流動資産が上に、固定資産が下にきます。
■流動資産はこう並んでる??
A現金:最強の流動性。
A売掛金:取引先から入ってくる金。通常は数ヶ月以内に回収。
B製品在庫
売れればお金になる。在庫回転が悪いと現金化に時間がかかる。
C原材料
加工して製品になってから売れる。現金化には加工、販売、回収の工程が必要。
固定資産はこう並んでる??
@ 建物
A 機械・工具
B 土地
C 無形固定資産(ソフト・のれん等)
D 投資(株式等)
ちょっとうん?という感じがしますよね。
@〜Cはそもそもどれも現金化がめちゃくちゃ難しそうです。事業を継続しているかぎり、売ることはほとんどないでしょう。事業を売却するとかでもないかぎりは、現金化はなさそうです。
一方Dはどう思いますか?この項目には、
a) 投資有価証券
b) 長期貸付金
c) 退職給付に係る資産
d) 繰り延べ税金資産
などが含まれます。
特に注目べきは
a)の投資有価証券です。
投資有価証券が固定資産の@〜Dの項目で、一番下の投資の位置に来ているのは何故かを説明します。
??投資有価証券が固定資産の@〜Dの中で一番下の理由は?
それは現金化「できるけど、あえてしていない」からです。
他の建物や機械、ソフトやのれんなんかは、そもそも現金化自体が難しいですよね。
会社が存続する限り、それらは「使い続けること」が前提だし、そもそも買い手を探すのも大変だし、売れるとも限りません。
でも、投資有価証券は違います。
「株」や「債券」は、売ろうと思えばすぐ市場で売れます=そう流動性がある資産なのです。
それでも固定資産の一番下に置かれている理由は…
売るつもりがない(長期保有目的)からです。
だから政策保有株はここにくるのですね。
この「投資有価証券」はたいてい、
・関係会社株式(子会社、持分法適用会社)
・持ち合い株
(得意先・取引先と安定関係のために保有)
というふうに、「持ち続けること自体が目的」の株です。だから、「売却し現金化する」ことは、少なくとも当面の経営計画には入っていないという事です。